アナジャコ(エビのなかま)
お寿司屋さんで出る『シャコ』とは別の生物です。地域によっては『シャコ』とよぶところもあるようです。荒尾市では、『まじゃく』とよびます。塩ゆで、天ぷら、素揚げなどに食べることが多いです。
体の固さに特ちょうがあります。全体的に柔らかいです。
体長は、オス・メスともに10cmくらいです。
はさみあしは、大きな動く指と小さな動かない指とで不完全なはさみあしをしています。
頭胸部は、左右に膨れています。えらが発達したためだと考えられます。
腹部は、前半分はやや細く、後ろの方には、遊泳脚とよばれるひれ状の腹肢があります。メスは5対、オスは4対です。
泥地の干潟に巣穴をほって暮らしています。体の成長に合わせて、巣穴の大きさや長さも大きくしていきます。大人の巣穴は深いもので2mを越えることもあります。上部にある50cm程度のU字型部分の下に、長くつながる棒状の部分がありますが、干潟表面の穴の大きさは数ミリしかないので、なかなか気づきません。スコップやくわで干潟の表面をけずると、直径3cmくらいの巣穴が見えてきます。
巣穴の内側は、粘土で固めてチューブ状になめらかに整えられています。
腹部にある遊泳脚を使って、巣穴の中に海水に流れを起こし、口付近に密生するひげでプランクトンやデトリタス(生物の死体や排泄物を起源とする微細な有機物)をこしとって食べます。
濾過摂食動物なので、海水をきれいにする役目をもっていますが、巣穴をほり、粘土で固めるので、アサリやハマグリ漁を営む漁師さんにはいやがられます。
アナジャコの捕り方は、特徴があります。
巣穴が深いので、掘ってつかまえるのはむずかしいです。
干潟の表面をスコップやくわでけずり、巣穴に習字の筆を差し込みます。アナジャコは巣穴を守るために侵入者を押し出そうとしますので、筆が外に押し出されてきます。アナジャコのはさみあしが巣穴の入口付近まできたところで両側のはさみあしをつかんで捕らえます。
おとりのアナジャコを使うこともあります。
どのような穴の掘り方をするのでしょうか。
巣穴で暮らしているのに、どうやってオスとメスが出会うのでしょうね。
アサリやハマグリ漁をする漁師さんにきらわれるのはどうしてなのでしょうか。生物つながりを調べてみてはどうでしょうか。
なんだかわくわくしますね。